ウッディアレンの新作「マジックインムーンライト」をいけだ笑みさんと観てきました。
占い師とマジシャンのストーリーだとやっぱり見ないわけにはいかない!と思ったんですけどウッディアレンの作品をロードショー公開時に見るなんてふたりとも20年以上ぶりでした。
カイロの紫のバラとかラジオデイズとか、彼の作品で20年代を舞台にしたものは何作かあり、またスコルピオンの恋まじない、タロットカード殺人事件など、魔術師や占い師が登場するものも何作かあります。お得意モチーフなんですね。
エマ・ストーンの衣装がかわいい。メイクはあまり20年代風ではないしセリフも現代的。だけどそれが占い師っぽさというか役柄の不思議ちゃん感をかもしだしていたように思います。コリン・ファースの理屈っぽいキャラがよくあるウッディアレンの映画に出てくるおっさんで、相変わらずなんですがイギリス人くさいのでなんとも落ち着きがある。けっこうなおっさんでエマ・ストーンとは親子ほどの年齢差があるけどしかしそれが「恋に落ちるミラクル」をうまく感じさせます。それと一昔前のハリウッドはおっさん男優と娘役のラブストーリーが主流だったからそれのオマージュっぽくもある。
占い師というよりは霊能師。そのあやしさに心やすまるときもある。騙して悲しい思いをさせたりイヤな思いをさせたりしてはダメだけど、どんなにロジカルな唯物論者でも気休めがほしいときもある。ミラクルが存在していいゆるい空間ってすごく大事だなあと思って帰ってきました。